2015年4月8日水曜日

【超訳】 意志決定と感情 ~神経科学の視点より by ダニエルゴールドマン




この記事は、2012年に設立された Search Inside Yourself Leadership Institute (SIYLI) がYoutube にて提供する講義: Neuroscience of emotion and decision making (意志決定と感情 ~神経科学の視点より)を和訳したものです。

SIYLIはGoogleで瞑想を取り入れた研修を行ったメンバーが、リーダー向けにこのノウハウを提供する組織です。様々な分野の専門家がレクチャーを行っていますが、今回はダニエル・ゴールドマンが話した内容の一部が公開されていますので、そちらを和訳しています。


”Emotional Intelligence においては、「セルフアウエアネス」が自己をマスターする意味で重要であるとされています。そして、私たちの前頭前皮質と神経回路、プラットフォームと深く関連しています。
セルフアウエアネス ― 今、私は何を感じているのか?その理由は?これがわかること ― は、意志決定において大変重要になります。ビジネスにおいても、そして個人レベルの意志決定においても、技術的なことであっても、これは当てはまります。
それを証明する興味深いお話をさせていただきます。神経科学博士のアントニオさんのもとに、患者としてとても優秀な企業弁護士がやってきました。この弁護士は、以前に脳腫瘍がみつかりそれを取り除くための手術をしていました。そしてアントニオ博士のところにやってきた時、彼の人生は破たんし始めていたのです。仕事を失い、奥さんも家を出てしまい… しかし手術の影響で何が変化してしまったのか、誰もわかりませんでした。アントニオ博士は脳波テストをはじめ様々な診断を行いましたが、何も異常は見つかりませんでした。彼の記憶力は確かでしたし、IQの高さも手術前と全く変わりません。しかし、博士が「次にお会いするのはいつがよろしいですか?」と聞いた時、この弁護士は 途方もなく沢山の選択肢を示すことはできたのですが、どの日程が良いのかを選ぶことができませんでした。脳の腫瘍を摘出する手術を行った際、前頭前皮質と感情センターを結ぶ部分を傷つけてしまったのだそうです。
アントニオ博士は、私たちの脳における感情センターが、物事の優先順位をつけたり決めたりする際に不可欠だと言います。弁護士の患者は、感情を認識するセンターを失ってしまったのです。どちらの戦略をとるべきか?どちらの男性とデートすべきか?今の仕事は続けるべきか?… このような意志決定を行う時、私たちは感情の知恵にアクセスしています。感情の知恵というと、なんだか情緒的な表現に聞こえますが、これはとても科学的なものです。
私たちが持つ「感情の知恵」は大脳基底核(頭の後方、下のあたりにある基本となる脳)に存在しています。大脳基底核は、私たちが人生で経験するあらゆる出来事を観察し、どのような時に物事は上手くいったか、いかなかったかを学習します。つまり、私たちの人生経験が全てここに蓄積されているのです。そして、この脳はあまりにも原始的であるがゆえに、言語を認識する脳の部分とつながっていません。言葉ではどうしたら良いのかは教えてくれないのです。では、どのように伝達されるのか?… それは、神経を伝わって肌感覚となって現れます。だからこそ、重要な局面で自分の繊細な感覚に意識を向けることが重要なのです。
セルフアウエアネスにおいて感情に意識を向けることが大切である理由は、ここにあります。感情や感覚の小さなシグナルを見逃さないこと。これは、意志決定においてだけではなく、倫理や尊厳の領域でも重要なことでしょう。これらの領域に意識を向けることで、大切な時のYes、Noが明確になるのですから。 ”



(終わり)

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