2015年4月16日木曜日

【超訳】 瞑想が脳の構造を変える理由 (Part1)



この記事は、 Kelly McGonigal 氏による、"Your Brain on Meditation" の一部を和訳したものです。皆さまの日々の瞑想やセルフアウエアネスの向上にお役立て下さい。


©iStockPhoto.com/Spanic

ヨガを行い、今を味わっているときの感覚は何にも代えがたいものがあります。どのようなスタイルであれ、ハタヨガを行うことで得られる効果は一つの理由によりもたらされます。それは、体の動きと呼吸を合わせるからです。そうすることで、私たちのマインドは、興奮から冷め、落ち着いていきます。あなたの意識は永遠と続くToDoリストから解放され、呼吸に向きます。そして、より平和で穏やかな気持ちになってゆくのです。

多くの私たちにとって、瞑想の中で 落ち着いた同じ状態に自分を置くことは大変困難です。マインドが心配ごとを思い出したり、自己批判を行ったり、過去の記憶を思い返すことを淡々と見ているのは難しいものです。なぜ、このような状況にあえて自分をおく必要があるのでしょう?



瞑想を行うことで、人生が様変わりします。数千年以前、インドの文法学者であるパタンジャリも。そしてブッダも瞑想によって私たちのマインドがもたらす苦しみから解放されると説いています。彼らは、弟子たちに意識を集中させること、慈しみと喜びを教えました。そして、瞑想状態になることによってマインドや感情レベルを変化させることが可能であると伝えました。

しかし、現代の私たちはそれをそのまま受け取る必要はありません。近年では、多くの科学者たちが、このマスターたちの知恵を検証しています。瞑想が脳にどのような影響を与えるのかを…。

現在の研究結果をみるだけで、嫌がる人をヨガマットに座らせる意味があることがわかります。科学者たちは、瞑想が --- たとえほんの一服であっても、脳の構造を変化させ、あなたの世界を一変させる効果があるとわかったのです。以下がその結果です。


瞑想は、あなたの脳をどう変えるのか?(How Meditation Changes Your Brain)

MRI を活用して、神経学研究者の Eileen Luders は瞑想が脳に与える物理的な変化を測定する活動をしています。最近まで、この考え方はひどく馬鹿げていると思われていました。科学者たちは、脳は大人になったら成長が止まり、それ以上は進化しないと考えていたのです。しかし、 Luders 氏は「私たちが毎日行うこと、そして毎日経験することが脳を常に変えているのです」と言います。実際、彼女の研究結果はこれを証明しています。瞑想を行う人とそうではない人との間に相違点を見つけたのです。2009年に発行された ”NeuroImage“という雑誌に掲載された内容を紹介しましょう。22名の瞑想者と22名の瞑想と行わない人々の脳を比較したところ、瞑想者のほうに 集中したり、感情を制御したり、精神的な柔軟性と高く関連する脳の部分に灰白質が多く見つかったと言うのです。この灰白質が高まると、脳は効率的に、そして力強く情報を処理することが可能となります。Luders氏は、瞑想者の脳に灰白質 が増えることで集中力、感情のコントロール、そして意思決定の精度を上げることがができるのではないかと結論づけています。

瞑想者とそうではない人々の間の脳に異なる点がある理由は、何でしょうか?これは、単純に訓練の問題です。神経学者達は、現在の我々の脳の状態は 本人が持つ要望と連動しているとしています。例えば、ジャグリングをする人の脳は、動く物体をキャッチするに相応しい脳の状態を創り出しています。医学部の生徒たちは、短期間で多くの言葉や知識を覚えるために海馬が活性化しています。そして数学者は算術や空間認識力を処理する脳の部分に灰白質が多いのです。

Luders氏のように、瞑想は音楽や数学を練習するのと同様であると考える神経学者は増えています。反復練習が必要なもの全てと同様に、瞑想も脳を鍛えれば可能となります。Ludersは「日常的に利用することで、脳のニューロンが新規に結合することは可能である」と言います。「このような小さな変化が数千の個所で起こることで、脳そのものを変化させることが可能なのです」。このような構造的な変化は物事を素早くできることを可能とします。まるで、音楽家が音楽を認識し作曲することを容易にできたり、数学者が数学の問題を簡単に解くことができたりするように。そう考えると、瞑想者は他の人たちよりも何に長けているのでしょう?ここからが面白いのです。

この10年ほどの調査で、研究者たちはこのような結論に達しています。マントラや呼吸に意識を向けることで脳は集中力を増すように再構築されます。瞑想中に静かで平和な感覚に集中し続けていると、脳はストレスに強いものに変化してゆきます。そして瞑想中に慈しみや愛の感覚に集中していると、常に人々との深いつながりを感じられるようになるのです。


集中力を高める(Improve your Attention)

最近の研究結果は、瞑想が2つの方法で私たちの集中力を高めることが可能であると結論づけています。瞑想は一つのことに意識を置き、その他の物事に邪魔をされないことが可能にします。そして「今、この瞬間」に注意を払うことで、周囲で起こっていることがより認識できるようになるというのです。

最も興味深い研究は、Antoine Lutz 博士と Richard Davidson氏とのコラボレーションによるものです。これによると、自分の呼吸の数を数えたり、一つの物体を眺めるといった瞑想を行うことによって、注意を払うときに利用する脳の領域が活性化していることがわかりました。これは、訓練を始めたばかりの瞑想初心者の間でもみられた結果です。しかし、一方で 多くの訓練を積んだ瞑想者(44,000時間以上の瞑想経験がある人々)は、この領域の脳は活性化せず、しかし驚くべき集中力を発揮していました。Lutz博士は「瞑想の訓練を積むことで、物事に集中するために費やすエネルギーを次第に減少させていくことが可能である」としています。「訓練を積むことで、集中することがが日常的に、苦にならずにできるようになるのです」。

次に研究者たちはヴィパッサナー瞑想の訓練について調査しました。ヴィパッサナーとは「物事を有りのままに見る」という意味があり、この瞑想は集中力や認識力、洞察を深めるために行われるものです。この研究グループでは、周囲で起こる出来事に注意を払えない状況を「意識に目を瞑る状態(attentional blink)」と呼んでいます。私たちの多くは、日常生活の中でこれを経験していると思います。自分の考えに意識を奪われ、友人が言ったことを聞き逃すような出来事です。もっと極端な例では、人からの一言が心に刺さり、頭の中でこだまする。それを気にするあまり運転に集中できず、目の前の車が信号で止まったことにも気づけず事故となる… などがあります。"attentional blink"から脱することが出来ていれば、置かれた状況に気づいてミスを防ぐことができたでしょう。

実際に瞑想が"attentional blink"を減らすことができたかどうかを試すために、瞑想者は1秒よりも少ない間隔で起こる出来事を認識するテストを受けました。その結果、瞑想をした人たちはより認識力が高まり、その正確性が落ちることはなかったといいます。

何が彼らの結果を高めたのでしょう?EEG(脳波計)をみてみると、瞑想者が出来事を認識するために利用している脳の領域は少なかったといいます。実際、彼らが最初のターゲットを確認するのに利用した精神的エネルギーは微々たるもので、それによって次にくるものを認識する余裕を持たせていたのです。Lutz博士のチームは、このような研究結果より瞑想は脳の可能性を高めるのではないか信じ始めています。普段から雑務に追われて意識が散漫となりやすい人にとっては とても効果的なのではないでしょうか。


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(訳:小島美佳)

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