2015年9月25日金曜日

映画「インサイドヘッド」が教えてくれる、感情に関する5つのこと(後半)

 ※ この記事は、WEBメディア“Mindful”内の記事Five Things Pixar’s “Inside Out” Teaches Us About Emotionsの後半を和訳したものです。(前半はこちら)ご自身の瞑想やマインドフルネス活動の参考にしてください。




3.私たちの現実と記憶は感情というフィルターにかけられている
私たちが今起こっている現実を過去の経験という枠組みを通して見るように、私たちが振り返る記憶は、私たちの今の経験によって彩色されています。
ライリーのケースだと、彼女は映画の中で数回、自分たちのチームがチャンピオンとなったホッケーの試合のことを思い出します。ある時点で、彼女は自分の打ったウィニングショットを懐かしみ、試合について悲しい気持ちで思い出します。別の時点でも、彼女は全く同じ瞬間のことを思い出します。でもそのときには、どれだけ彼女がチームに貢献したかを示すために、彼女を肩に担ぎあげたチームメイトに賞賛されながら笑っているところを思い出します。

同じ記憶が、悲しみのレンズを通すか喜びのレンズを通すかで全く違ったものになるのです。これはとてもパワフルな考え方です。私たちが本当に覚えておかなければならないことは、私たちの記憶は私たちの個人的な物語の一部なのであり、私たちは記憶を、いくつものやり方で自分の信じる物語として構築するということです。自分自身で物語を作り上げているのだから、いつでも自分でその物語を変えることができるのです。

記憶から、ネガティブな事実や困難なできごとを含む特定の部分だけを削除することはできません。記憶は常にそこにあります。それでいいのです。研究は、私たちが実際にした体験よりも、私たちがそれらの体験について、どのような物語にして自分自身に語るかということの方が、さらにインパクトがあることを示唆しています。

4.感情について語るための言葉を持つことは力になる
この映画でもっとも出色すべき点は、これが感情にフォーカスする映画として存在しているところかもしれません。科学的な整合性がある程度以上存在していることよりも大切なことは、この映画の提示する感情の概念が、私たちが自分の子どもと行う対話に影響を与えるだろうということです。

もし子どもたちが、早い段階で自分の感情を感じる方法を、そして全ての感情を感じることがとても重要だということを学ぶことができれば、私たちはよりうまく適応できている思春期の子どもや成人を見ることができるかもしれません。

実際、アニメーションであることはさておき、この映画のターゲットとなる観客は全ての人類です。何故って?さまざまな経験を通し自分の中に起こった感情に対して語る言葉を持つということは、経験から学ぶ力を与えることであり、最大限の思いやりを持ってそれらの感情に反応し、より少ないジャッジメントでそれらの感情にアプローチすることだからです。

5.自分の感情を感じることは普遍的な人間の営みである
ピクサー社は、ポール・エックマン博士の研究から生まれた、科学的に分類された5つの普遍的な感情がそれぞれ用いられたときに何が起こるかをよく知っています(6つ目の普遍的な感情は驚きです)。

エックマン博士は研究を通し、特定の感情は文化を越え世界中で共通の顔の表情により表現されることを示しました。そして、この映画は私たちの実際の違いを越えて、私たちがいかに本質的に人間として似通っているかを思い出させてくれます。これは非常に強力な考え方です。特に肌の色やジェンダー(社会的性差)、性のアイデンティティにから起こる差別を考えるときに有用です。

1日の終わりに、あなたが誰であるかに関わらず、あなたたちは同じ感情の幅とキャパシティを持ってその日のできごとを経験します。つまり、私たちが皆ただ自分自身のハードな人生を戦っているだけということに気づくことができたら、私たちはこの世界を今よりもっと多くの慈悲心と、より少ないジャッジメントを持って経験することができるかもしれません。


筆者:Jennifer Wolkin
ニューヨークを拠点とする臨床健康と神経心理学者。教授であると同時に、執筆や講演活動を行う。近年BrainCurves(ブレインカーブス)を設立し、女性の心身と脳の健康のための正確でアクセスしやすいアイディアを提供する活動を行っている。

<おわり>


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